妊娠すると、女性はあらゆるホルモンのバランスが変わります。
当然のことだけれど
体形も変わるし、骨盤も動きます。脂肪もついて、おっぱいも大きく母乳を作り始めます。
そんな中で、
インスリンなど血糖値に関するホルモンのバランスも崩れてしまいます。
結果として血糖値が上がり、「妊娠糖尿病」と呼ばれる状態になってしまいます。
「妊娠糖尿病とは」
というところで面白かったのが
「糖尿病ではない」ということです。
糖尿病ほど数値が悪くなっていないので、
正式に糖尿病には至ってない、ということですね。
◉至ってしまうと =妊娠中の「糖尿病」
◉もともと糖尿病だと =「糖尿病合併妊娠」
という区別もあります。
ちょっとややこしいですが、
「気をつけましょう」という点は同じです。
妊娠糖尿病の何が怖いか、ということを
「母体」「胎児」「新生児」それぞれで起こりうる合併症を列挙してみました。
【母】
○帝王切開
○妊娠高血圧症候群
○流産・早産
○羊水過多
○尿路感染症
【胎児】
○巨大児・過体重児
○肩甲難産
↓
分娩障害!
【新生児】
○低血糖
○高ビリルビン血症
○多血症
○呼吸障害
○低カリウム血症
↓
母が「糖尿病」でコントロール不良だと
「先天異常の率がUP!」
ということで、
妊娠糖尿病。なんとかしたいですね。
治療についてですが、
数値目標は健常人とほとんど変わりません。
○空腹時血糖 70〜100mg/dL
○食後2時間 120mg/dL未満
○HbA1c 6.2%未満
HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)は、
採血時の1〜2ヶ月前の期間における血糖値の状態を表しています。
なので、他の血糖値と違って長い期間を見るので、「サボってる」とかすぐにバレます。
ただ、妊娠中はそんなに長期で考えても仕方がない、母体の状態もどんどん変わっていく、ので、
「重要ではない」という考え方もあるようです。
治療方法としては普通の糖尿病と同様ですが
○食事療法(食べ物を改善しよう!)
○運動療法(運動して健康になろう!)
○薬物療法(薬でなんとかしよう!)
の3本柱です。
ほとんど9割の人が食事・運動だけで改善するそうです。
あとの1割の人・・・お注射です!
ということで、「インスリン投与」が基本になるようです。
妊娠中は飲めるお薬も限られます。
インスリン投与は、人が本来体内で作っているホルモンを補充しているだけなので、心配要らないよ、ということですね。
しかし、まず第一に食事療法。全ての病気は食事から、です。
Comentários