「目薬をさす」の「さす」は、漢字で「点す」です。
だから「点眼」
え?知ってました?( ̄▽ ̄;)
さて今日は目薬の基本をいろいろと。
特に「コンタクトレンズを着けたまま目薬を使っていいか」ということをよく聞かれます。
それについてはタイトルの通りですが、詳しくは後ほど。
まずは、
目薬の点し方・基本
目薬を点すときは
下まぶたを軽く下に引っ張って(あっかんべーの目)
そこに1滴だけ点します。
容器の先端がまぶたやまつげに触れないように注意。
触れると雑菌が入り、目薬が劣化します。
点眼したら、まばたきはせずに!
まばたきをすると流れ出ていってしまうので。
静かに目をつぶって待機しましょう。
この時に、目頭を指で軽く押さえるのも効果的。目頭にある「涙囊」に薬が流れてしまうのを防ぎます。
あとで溢れでた分だけティッシュなどで拭き取りましょう。
*上手に目薬が点せない人はこれをどうぞ
「らくらく点眼」
2種類以上を同時に点眼するときは?
1つ目を点してすぐに2つ目を点すと、溢れ出てしまって効果を損ないます。
1つ目と2つ目は最低5分の間隔を開けて。
できれば15分以上。
順番は医師の指示があればそれに従ってください。
ほとんどの点眼薬は水溶性です。
しかし、懸濁剤、ゲル化剤や角膜保護剤などを含む、【目に長時間滞留するよう工夫されている点眼薬】は他の点眼薬の吸収を妨げる可能性があるので、最後に点眼したほうがいいでしょう。
また、眼軟膏が出ている場合は点眼の後、必ず最後に塗りましょう。
●懸濁性=カリーユニ®点眼液(白内障)、・フルメトロン®点眼液(ステロイド抗炎症薬)
●ゲル化=チモプトールXE(緑内障)、リズモンTG(緑内障)、オフロキサシンゲル化点眼液(抗菌薬)
点眼薬の保存について
通常は室温保存で問題ありません。
ただ、雑菌の繁殖が心配のなので、冷蔵庫に保存することを私は推奨しています。
1日数回点す点眼薬は携帯することもあるでしょうから必須ではないですが。
なるべく、直射日光を避けて涼しい場所に保存しましょう。
目薬よっては「冷所保存」「溶解後冷所保存」「10度以下で保存」などがありますので、その場合は冷蔵庫へ。
また「遮光保存」の場合は光を避けて保存を。
日光だけでなく、普通の電灯などもダメです。
遮光保存の点眼薬はだいたい「遮光の袋」がついていますので、その中に入れて保存しておけば大丈夫。
使う時に袋から出して、使ったら袋に戻しましょう。
透明の袋が付いていることがよくありますが、あれは用法や名前を書くための物です。
透明袋タイプはそもそも目薬が遮光じゃないので、袋は必須ではありません。
冷所や遮光などの保存方法は
必ず点眼薬の容器に貯法(ちょほう)・保存方法が書いてありますので、それに従ってください。
そして、どんな目薬も
開封したら1ヶ月で捨てましょう。
開封前は「使用期限」まで使えますが、開封後は雑菌が入りますから1ヶ月を目安に。
雑菌の繁殖した入った目薬を点したら・・・まぁヒドいことになりますわね。
コンタクトレンズを着けたまま目薬していい?
コンタクトレンズには「ハード」と「ソフト」がありますが、
ハードコンタクトレンズの場合は気にしなくていいです。
ほぼ全ての点眼薬がそのまま使えます。
対して、
ソフトコンタクトレンズの場合は
基本的にコンタクトレンズを外す必要があります。
目薬には防腐剤(主に塩化ベンザルコニウム)が含まれています。
ソフトのコンタクトレンズはその「防腐剤」を吸着してしまい、レンズの寿命を縮めてしまいます。また、レンズに付着した防腐剤によって「角膜障害」を起こす可能性が高まります。
ただ「使えない」ということではありません。
点眼時に一旦コンタクトレンズを外し、点眼後すぐではなく点眼後5分以上間をあけてからコンタクトレンズを装着するようにしたら大丈夫です。
目薬を点すときだけ外したらいいってことですね(´▽`)意外とOKなんだ〜。
アレジオン点眼液
「花粉症で目がかゆい!」
そんな時に使えるのは「アレジオン点眼液」
防腐剤として塩化ベンザルコニウムが入っていません。
*コンタクトをつけたままの使用ができるかどうかは目薬の箱に書いてありますので、よく読んでから購入・使用しましょう。
ソフトコンタクトレンズ着用のまま使えない目薬の例(塩化ベンザルコニウム含有)
リザベン点眼液
リボスチン点眼
パタノール点眼液
インタール点眼
ザジテン点眼(UDは大丈夫)
リンデロン点眼点耳点鼻液
ヒアレイン点眼
人工涙液マイティア
フルメトロン点眼
ニフラン点眼
緑内障=キサラタン、ルミガン、エイベリス、チモプトール、ミケラン、トルソプト、エイゾプト、ザラカム、コソプト、アゾルガ、タプコム、グラナテック
白内障=カリーユニ、タチオン
ラクリミン
サンコバ
ミオピン
タリムス
【余談】人工涙液とは
読んで字のごとく、「人工の涙」です。
ドライアイに使われる目薬で、特別な薬効はありません。
潤いを与えるだけ。
【第3類医薬品】ソフトサンティア (参天製薬)
PF点眼薬
最近は防腐剤の入っていない点眼薬もあります。
日本点眼薬研究所の「PF製剤」です。
PFとは Preservative Free(防腐剤無添加)
別に日本点眼薬の回し者ではありませんが、
「こんなのもあるよ」という紹介までに。
「PF点眼薬は、0.22μmメンブランフィルターを用いた特殊な容器により外部からの細菌の侵入を防いでいる」そうです。
使う一番最初に行う開栓作業が少し特殊ですが、「指で容器の真ん中をグッと押すだけ」なので慣れたら簡単。
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