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  • 執筆者の写真OKANO

糖尿病から透析へ。薬と低たんぱく食。

更新日:2019年9月23日

今回のテーマは「透析」です。

透析は末期の「糖尿病」患者さん等で腎臓がダメになってしまった人がするものですね。

血液を濾過しておしっこを作る腎臓がダメになると、血液に老廃物が溜まり・・・放っておけばもちろん死んでしまいます。


幅広いテーマなので、今回はとりあえず概要・復習を。


【糖尿病から透析へ】

自覚症状がほとんどない糖尿病ですが、

放っておくと血管がもろくなります!

なので、まず「細い血管」がある部位から症状が出始めます。


それは主に3つ

 ◎目 =失明

 ◎足 =足が腐る。

 ◎腎臓 =おしっこが作れない



これらは一度なったらもう治りません。

早い段階で対応し、悪化しないようにするしか。

はい、本当に怖い病気ですね。


私は「目」や「足」に症状が出ている人をあまり見かけない(気づいてないだけかも)ですが、「腎臓」=透析は仕事上でよく見ます。

 *漫画で読むのはとても簡単でいい。



【寄り道】

「子供が産まれながらの糖尿病(1型糖尿病)」というお父さん・お母さんへ。

この2冊が参考になるかも。

 *『【1型】~この赤ちゃん1型糖尿病です~』

 *『1型糖尿病と歩こう―“この子”への療養指導』



さて、今回は「透析」についての話を進めます。


一般に「腎機能が正常の10-15%以下になると、透析や移植などの腎代替療法(腎臓の機能を代行する治療)が必要」とのことです。

厚生労働省は「どのような状態になったら透析を始めたほうがいいか」を判定する「透析導入の基準」を出しています。


【透析の種類】

「透析」は、その形態が大きく2つあります。

「血液透析」と「腹膜透析」です。


血液透析は

血液を体外に一度出して、人工膜の透析機「ダイアライザー」を通すことによって、血液中の老廃物や水分を取り除きます。

血液を出し入れする管(注射針)を刺すために、簡単な手術によって、手首の動脈と静脈を皮下でつなぎ合わせた「シャント」という血液の取り出し口を作ります。

透析のため週3回の通院が必要です。


腹膜透析は

お腹の中(腹腔)に透析液を入れて、血液中の毒素や余分な水分を移します。

1日数回、患者さん自身で透析液バッグ を交換する「CAPD」と、

夜間就寝中に「サイクラー」という機械を用いて透析液を交換する「APD」という方法があります。

透析液を出し入れするためのカテー テルを、簡単な手術によって、腹部に埋め込みます。

在宅での治療を基本として、月に1~2回通院します。


現在日本では、先の「血液透析」のほうが広く行われています。


【透析患者の使う、基本的な薬】

●骨髄に作用して赤血球を作る働きをうながす「エリスロポエチン」という造血ホルモンは、腎機能が低下すると当然作られなくなり、結果として「貧血」になります。

なので、エリスロポエチン製剤(エポジン、エスポー)を定期的に注射することで貧血を改善します。


●活性型ビタミンDはカルシウムの吸収をよくして骨を丈夫にする作用があります。

腎機能が低下すると、食事で摂取したビタミンDを「活性型ビタミンD」に変えることができなくなって、カルシウムの吸収が低下し、結果として「骨が弱く」なります。

なので、活性型ビタミンD製剤(ロカルトロール、アルファロール)が投与されます。


●透析患者さんではリンの高い状態が続くと骨がもろくなります。

なので、血液中のリンを下げるために、リン結合薬(炭酸カルシウム、ホスレノール、ピートル)が投与されます。


●カリウムの高い状態が続くと手指や唇のしびれ、全身の脱力感などの症状が見られたり、心臓に負担がかかります。

なので、カリウム抑制剤(カリメート、ケイキサレート、アーガメイト)が投与されます。



【腎臓病の食事療法】

食事療法の目的は「腎臓への負担を軽くすること」です。

(1)たんぱく質を腎機能に見合った量に制限

(2)エネルギー確保

(3)減塩

(4)カリウムを少なくするため、生野菜や果物の調理方法を変える。

(5)水分を制限


特に「たんぱく質」についてですが

たんぱく質はアミノ酸で構成され、様々な食品に多く含まれています。

そのアミノ酸のうち「必須アミノ酸」8種類は、体内では合成できない物ですが、体にとって必要不可欠なアミノ酸です。

この必須アミノ酸がバランスよく含まれている食品ほど、「たんぱく質の《質》が良い」ということになります。

具体的には、卵、肉類、魚類、牛乳などからの《動物性たんぱく質》がこれに当たります。


大豆などの植物性食品は必須アミノ酸の一部が欠けているので、体を作るために使われず、残りの部分が「燃えかす」として「尿素窒素・カリウム・リン」などとして多く出て、腎臓の負担を増やしてしまいます。


なので、腎臓に負担をかけないための「低たんぱく食」では、限られた範囲内で「動物性の食品から上手に摂ること」が大切となるようです。



低たんぱく食はあくまで「腎臓が悪い人のための食事」です。

糖尿病改善は「糖尿病食」を参考にしましょうね。

ダイエットが必要な方はこちらを参考にそうぞ。



【この記事の続き】

『腎不全・透析患者さんの薬。腎排泄について』


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